あの、日に照らされた、ひなたぼっこ中の猫の温もりと、ほのかな香りが伝わる猫画集であります。
台湾出身の画家で、ご自身も猫と暮らすという陳珮怡(Pei Yi Chen)さんの猫画集『陳珮怡画集 猫さえいれば』が、青幻舎からこの11月に出版されまして、その刊行を記念した陳珮怡さんの個展が、東京銀座の「ぎゃらりい秋華洞」で現在開催中で、会期は来週月曜日の19日までとなっております。
繊細な猫の毛並みの表現は、艶やかな輝きだけではなく、ふんわりとしたやわらかいぬくもりまでも伝えているかのようでありまして、描き手の技量の高さと猫に対する観察眼を在り在りと感じさせるものであります。記事トップに掲載しました作品「ごろり」は、毛布に寝転んでいるうちにハッスルスイッチがONになり、抱っこキックでいてこますでーと見境がなくなりつつも、飼い主のことはさりげなく気にしている瞬間のチラリ目でありましょうか。猫と暮らす者だけが見られるであろう瞬間の猫たちの姿を、日本画の技法を汲んだ、台湾の「膠彩画」で描かれているのであります。
猫の毛の色彩、特に白い毛の表現力の豊かさは卓越傑出抜きん出る、超技凄技職人技であります。その表現力をつぶさに観察するには、フルHDでも4Kでも8Kでも足りないわけでありまして、画集もしくは個展の原画を、目を猫のようにして見るのがもっともいい鑑賞方法かと思う次第です。
個展の入場料は無料で、開場時間は10時〜19時まで。会場のぎゃらりい秋華洞へのアクセスは公式サイトをご確認ください。
[チン・ペイイ個展/ぎゃらりい秋華洞]
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