何が猫か、どこまでが猫かを追究し続ける猫ジャーナルとしては、取り上げざるを得ない話題であります。
先月末〜今月頭にオンラインで開催された、第26回 一般社団法人情報処理学会シンポジウム「INTERACTION 2022」にて発表された一つが、こちらの「猫の身体の柔軟性と流動性を表現したリラクゼーションロボット」であります(ITmediaの記事はこちら)。読者のRH様よりも投稿にてお知らせいただくなど猫界隈にて話題になったロボットについて、リサーチした情報がまとまりましたので、謹んで読者諸兄にお届けする次第です。
大阪芸術大学とATR(国際電気通信基礎研究所)の研究チームが発表したこちらのロボットが世に出たのは今回が初めてではなく、研究チームの筆頭者となっている大阪芸大の松本紗佳氏が同大のアートサイエンス学科所属時代に卒業制作として発表されたものです。
そして同年度(令和2年度)の大阪芸大卒業制作選抜展にて「Halo」と題されたこの作品は学長賞を受賞されています。受賞者インタビューの動画で松本氏は「触感や生理学的な動きだけで動物らしさを表現できないか」という着想からこの猫型ロボットが生まれたと語っています。
触れたときに初めて動物だと認識させるべく、顔や耳、シッポといった身体的な特徴を表現するのではなく、呼吸時に体が膨らむ感覚や、手に触れた毛や肉から伝わる感覚を忠実に再現。猫の毛質に近いポリエステル素材を使用し、その内側には人肌ゲルが使われています。背中とおなかで感触が異なるように、背中のゲルの厚みは5mm、おなかのゲルの厚みは3mmとなっており、猫特有のおなかの弛みを表現するため、おなか側はポリエステス生地を余らせて縫い付けたとのこと。またロボット内部には3Dプリンタで制作した骨で作られた骨格があり、毛皮・人肌ゲルと相まって、猫の感触をよりリアルに表現しているそうです。
さらに、猫を持ち上げたときに胴体や脚がびよーんと伸びる特性を再現したとのことで、卒制発表時のムービーでは触れられていなかったこの特徴は、今年の発表に向けてバージョンアップされた点かと推察されます。
猫に触れずに猫の触覚を体感できる可能性が示されたことで、ヘッドセットでリアルな猫の映像を眺めながら時間を忘れて猫に触れて仕事や予定をすっぽかしたり、猫アレルギーの方や猫と暮らしていない方でもリラックスした猫の体を撫でる感覚を得られる未来が目の前にやって来たわけであり、人類の未来は明るくなったのは間違いなさそうです。
この猫ロボットと、リアル猫を目隠しして触り比べる、利き酒ならぬ「利き猫」イベントが開催された際には、万難を排して参加したいと願っております。
[猫の身体の柔らかい流動性を表現したリラクゼーション・ロボット/YouTube]
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毎日お世話になっています。
今回は猫ロボの件、追跡調査までしていただいてありがとうございました。記事の中でわたしの名前まで触れていただき恐縮するばかりです。
これからも楽しい猫記事(都々逸風タイトルも大好きです)をよろしくお願いします。