「殺処分ゼロ」のために何をすべきか。保護活動団体によるシンポジウムが開催


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昨日お伝えしました、一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブルの主催「ANIMAL WELFARE SUMMIT 2016」での、小池都知事と滝川クリステルさんとの対談。それと同じく、26日には同じ会場で「殺処分ゼロを達成するために」と題したシンポジウムも開催されました。こちらでは、各地で殺処分ゼロに取り組む、5つの団体の代表が一堂に会し、その活動と思いを語りました。その模様も、猫ジャーナルでは取材をして参りました。

登壇者の皆さん。写真左から、河瀬氏、小西氏、齋藤氏、藤野氏、滝川氏
登壇者の皆さん。写真左から、河瀬氏、小西氏、齋藤氏、藤野氏、滝川氏


河瀬麻花 氏ネコリパブリック
2014年7月オープンの岐阜店を皮切りに、全国に6店舗の保護猫カフェを運営中。2022年2月22日までに、日本の猫殺処分ゼロを目指す。保護された猫の里親探しの場を提供しながら、寄付やボランティアだけに頼らずビジネスとして「自走」することを目指す。現在、広島と東京・池袋に新規出店を計画中。また、猫助けアクションを幅広く啓蒙するイベント「ネコ市ネコ座」を主催するなど、猫好きにもそうでない人にも保護猫を知ってもらえるよう、活動を続けている。


小西伴彦 代表理事一般社団法人ふくい動物愛護管理支援センター協会
福井県の動物愛護管理業務を受託し、現在は県内の4箇所の保健所で、犬猫の保護、引き取り、収容、譲渡、返還などの業務を請け負っている。平成22年度から受託を開始し、受託開始後から殺処分を行わない方針を立て、平成26年度には殺処分数はゼロに。収容した犬猫を里親などへ譲渡したり、飼い主へ返還したりした率(生存率)も、平成22年度では40〜50%程度だったが、現在では90%を超えるまでに向上。飼育の難しい子猫の生存率を高めるために、ミルク・哺乳瓶・スポイト・体重計・ペットボトル(保温瓶)などをひとまとめにした「乳飲み子育成セット」を貸し出すなど、市民の協力を得る方法も模索している。


齋藤朋子 代表特定非営利活動法人ゴールゼロ
ZERO-VETS(殺処分ゼロを目指す獣医師グループ)を前身として、2010年に設立。犬猫の殺処分ゼロを目指すとともに、人と動物が共に豊かに暮らしていけるまちづくりのために活動している。獣医師を中心に徹底した避妊去勢手術の重要性を訴えるとともに、動物教室や飼い主のいない猫へのワクチン接種助成などを行っている。いったん殺処分ゼロを達成できたら、もう過去には戻らないことが大切ととらえ、「キープゼロ活動」と称して、殺処分ゼロ後の展望にも視野を広げている。


藤野真紀子 代表理事TOKYO ZERO キャンペーン
東京五輪開催の2020年までに、まずは東京を「動物福祉先進都市」とし、ひいては日本を「動物福祉先進国」にするとの目標を掲げ、65人が呼びかけ人となり、「8週齢規制の早期実現」、「動物愛護センターを、保護し譲渡するための”ティアハイム”的施設へ転換」、「保護犬・保護猫との出会いを広める」という3つの解決策が同時並行で実施されるよう活動を展開中。各所や動物愛護のイベントにおいて勉強会や、著名人による視察のほか、2016年東京都知事選では各候補者への動物福祉に関するアンケートを行い、その回答結果をサイトで公開する。また今後は公開討論会も行う予定とのこと。


滝川クリステル 代表理事一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル
里親が決まるまでの間、自宅で保護犬・保護猫を預かる「フォスター」活動を育成する「フォスターアカデミー」や、フォスター同士のネットワーク形成の支援を行うことで、保護施設で預かれる犬猫の数を増やし、シェルター活動を支援する取り組みや啓発活動を行っている。殺処分の8割が猫で、そのうち6割が離乳前の子猫という状況に対して、各自治体と動物病院との協力により、乳飲み子の猫を一時的に引き取り、授乳や排泄などの世話を行ってくれるミルクボランティアを増やすための支援にも力を入れている。


司会:松原賢理事一般社団法人Do One Good
飼い主のいないペットが新しい飼い主と出会う「里親会」を軸とした「未来のペットショップ」を目指し、2009年設立の任意団体を前身として、2013年に一般社団法人として設立。これから犬を飼う人を対象にした講義や、子どもに対する犬猫の触れ合い体験会を通じて、里親・ボランティアスタッフ・地域を繋ぐコミュニティーづくりを模索している。

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司会:(冒頭に発表された)各団体の活動をお聞きになった、感想をいただけますでしょうか?

滝川クリステル氏
滝川クリステル氏

滝川:ゴールゼロの齋藤先生のところでは、獣医師のボランティアによる野良猫の去勢手術に特化されています。ゼロに近づけるには、獣医の皆さんが協力して行うことが大事という考えで行動されていて、本当にそのとおりだと思う。そういう方が増えていってほしいと切に願っています。

藤野:事業者の方たちが、自分の得意分野で自分の力を発揮して動物福祉に取り組んでいることがとても大事。そういったみんなの力が合わさると、10にも100にもなるんだなと。(会場の)皆さんも、何か自分のできることで、きっかけを作って参加してほしいです。

齋藤:「これ1つを行えばゼロになる」ことはなく、みんなの力を合わせ、それぞれのノウハウで頑張っている人たちがいる。私は(小西さんの)福井の活動を初めて知りました。東京からゼロにしていかなければと思っていましたが、福井に負けていることも知りました。会場の方には、ここで登壇している5つの団体のどこか1つにでも、お持ちの力を当てはめられるところがあると感じていただけたらと思います。

小西:一般社団法人を名乗ってはいますが、行政から請け負ってしまっている事実があるため、他の団体とは、少し立場が異なり、できること・やっていることは、ちょっと違ってきています。そのなかで、僕らのいろんな話を生かしてもらって、せめてできる範囲を、どのようにしたら伸ばしていけるのかについて、ヒントになることを見つけられればと思います。行政との間に入りながらやっていますが、行政のいいなりだけでは(殺処分ゼロへの道のりは)終わらないかなと思います。

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司会の松原賢氏

司会:ヒントになったことは?

小西:僕らは決められたことをやるという立場でしたが、もう少し発想を変え、柔軟性を出していけば、民間であるがゆえにできること・手を伸ばせそうなところがあるかもしれません。(現状の悩みとしては)子猫が多く、どうしようもならないくらい。

滝川:子猫はもらいたいという人も多いのに、小さすぎて譲渡できないという矛盾した状況もあります。

河瀬:殺処分ゼロを目指している5つの団体が、目指していることや、皆さんに知ってほしいことは、やはり似ています。世話に手間がかかってしまう子猫のボランティアが必要だったり、保護猫保護犬との出会いの場を増やすことに、いかに注力しているか。皆、やりたいことは一緒なんだと感じました。

司会:皆さんの活動のなかで、アニマルウェルフェアについて、どのような点を大切にして、意識しているのでしょうか? このなかで一番数多くの保護動物に接しているのは小西さんでしょうか。やはり数が多くなると、アニマルウェルフェアは難しくなるのでしょうか?

小西伴彦氏
小西伴彦氏

小西:僕らの団体は、収容施設を持っておらず、事務所を構えているだけなのです。あくまでも受託事業で、今は(福井県内の)4施設の保健所業務を行っています。保健所業務のなかで、最初に思うのは、言ってみれば「捕獲施設」であること。要するに、動物のための場所ではない、収容するためだけの場所なのです。これを何とかしたいという思いが最初にあります。「こんな寒いところに入れちゃうの?」というところから、(活動は)始まっています。何とか寒くないようにしようと、毛布を入れたり、コンクリートにペンキを塗ると暖かくなるので、塗り替えたり。ちょっとでも収容された動物の居心地が良くなり、運よく飼い主が見つかったときに、飼い主から(ちゃんとしたところで保護してくれたと)お礼を言ってもらえるような、収容の仕方を考えなければなりません。アニマルウェルフェアという部分として言えるか分かりませんが、収容される動物がいかに、楽しく生き生きと、元の飼い主の元に返ったり、新しい飼い主のところへ行けるようにするかは、常に考えているところです。

司会:河瀨さんのところにも、保護猫がたくさんいると思いますが、数が多いと世話をするのは大変なことですよね。

河瀬:シェルターとは違い、保護猫「カフェ」なので、自由に猫たちがウロウロしています。多頭飼いですと、感染症なども気にしなければなりませんし、1匹1匹の健康チェックは、スタッフが一番気にかけていることです。遊びに来ていただいた方が、(猫を見たときに)鼻がグジュグジュだったりする猫がいっぱいいるところから、新しい家族が欲しくなるかと言われると、ちょっと引いてしまうと思うんです。そのようなことのないように、健康チェックはしっかり行っていて、少しでも調子の悪い子がいたら、ケージに隔離してケアするようにしています。「保護猫カフェ」は保護主さんから里親さんへ、繋ぎ渡す場(中継地)だと考えていて、この保護猫カフェにいる状態が、猫にとっての幸せでは決してないと思います。ただ、猫リパブリックにいる間は、猫たちがのびのびと、猫本来のかわいらしさが、来店者に伝わるようにケアをしています。

司会:保護して、地域にリターンする「TNR活動」における、アニマルウェルフェアはどうとらえていますか?

齋藤朋子氏
齋藤朋子氏

齋藤:動物たちには最後まで幸せに生きる権利があるということだと思います。私の病院にも、たくさんのボランティアさんが猫を連れて来てくれますが、あの方たちがいなかったら、私の仕事も成り立ちません。やはり、人が豊かで幸せになっていないと、このような活動はできません。それが前提にあります。その上で、不妊手術をすることで、野良猫も一代限りの命をまっとうさせることをいつも意識しています。つまり、殺処分などしなくともいい方法がある、という理解が普通のことになる社会となるように、意識の向上をしていかなければならないと考えています。

司会:藤野先生、アニマルウェルフェアと殺処分ゼロについてお聞かせください。

藤野真紀子氏
藤野真紀子氏

藤野:私たちは、活動のなかで殺処分ゼロを目指していますが、あくまでも数字を追い求めるものではありません。人間で言えば、人が人らしく尊厳を持って生き抜くことを福祉と定めるのであれば、犬や猫たちが本当に犬らしく・猫らしく天寿をまっとうするために、私たちはどうあるべきか。人間が命をどう守ってやるべきか。そして、福祉というのは、殺処分がゼロになればいい、生きてさえいればいいということではなく、どう生きるか、どう生かせるか、どう守るかが大事だと思っています。「餌だけをあげて、環境は悪いが生きている」のは、福祉から外れていて、アニマルウェルフェアではないのです。行政が殺処分ゼロを躍起になって求めるのではなく、あくまでも、アニマルパーソン(動物愛護の心を持つ人)が本当に幸せになる道を、どうやったら見つけられるのか。これはケース・バイ・ケースで、その1つ1つの個体によって、どういうケアをするかが変わってくるのが、福祉だと認識しています。ですから、安楽死もときにはあると思います。私の飼っていた犬が肺ガンになり、生死の淵を彷徨っていたときに、私はフランスにいました。主人は、家内が帰るまでは生かしたいと願っていましたが、生きながらに窒息するような状況を目にして、「帰ってくるまでは何とか生かしてあげたかったが、涙を流して苦しむ姿は見ていられない。これは楽にさせてやりたい」と言ってくるほどでした。そして安楽死を決断して、獣医さんのところに連れて行く最中に、主人の腕のなかで天国にいったという経験があります。まさに個々の犬たちに何が、痛くなく怖くなく、幸せで温かいことなのか(を考えること)。それがアニマルウェルフェアだと思います。

滝川:アニマルウェルフェアとは、藤野さんが仰ったとおり、大事なのは、ゼロという数字を追うだけではないということです。誤解されないように、そこはやっていきたいです。(国際的動物福祉の基本となる)5つの自由にあるように、生き物として、人間は誰でも痛みや負傷や病気をなるべく避けたいはずです。一方、動物のそれは見過ごすのでしょうか。野良猫・野良犬でさえも、自分たちで行動して避けているかもしれません。人間と関わるペットならば、そこは人間が責任を持ってちゃんと見てあげる。それがお互いにとっての、当たり前の関係だと思うんです。生き物として当たり前の尊厳を守るのは国際的にも、当たり前のことで、こういうことをペットだけでなく、地球上に生きている家畜も含む生き物に対して、なるべく、生きている間にどれだけ幸せに過ごさせてあげるかを重視すること。動物愛護先進国では行っていることです。私たちがされたくないことを、人間以外の生き物にもしないようにする。そのことを改めて振り返って考え直せればいいと思っている次第です。

司会:殺処分ゼロについて、具体的にこんなことができるという提案を、河瀨さんがスライドでまとめてくださっているので、生かしていただければと思います。

河瀬麻花氏
河瀬麻花氏

河瀬:猫の殺処分の6割が生まれたばかりの子猫です。殺されるためだけに生まれる命があるという悲しい命の連鎖を止める方法は、やはり1つだけではないかと思っています。皆さんは、「さくら猫」をご存じでしょうか。耳にV字のカットが施された猫で、避妊去勢された地域猫の証です。猫は最多で一年に4回くらい出産が可能で、生後半年くらいで妊娠できてしまいます。極端な例では、1匹の猫が、1年で50匹から70匹まで増えてしまう可能性を、知らない人もすごく多いと思います。避妊去勢をすることで、そのような不幸な命の連鎖を絶てるのではないか。こういうことを知らない人に知ってもらうには、言い方が必要になると思います。齋藤先生が行っているような、野良猫を捕獲して、手術を施し、元の地域に戻す「TNR活動」があります。この活動の段階で、もし人慣れしている猫を地域に戻してしまうと、(すぐに悪意のある人に捕まってしまい)虐待などの恐れがあります。その猫たちが保護されて、私たちのような保護猫カフェに来て、新しい里親のところへ巣立っていく例がたくさんあります。

藤野:質問です。捕獲するときの、簡単なやり方で何かありませんでしたっけ?

河瀬:保護器というものがあります。決まった時間に餌やりをする癖をつけてあげると、保護器に対する警戒感がなくなります。そのため、捕獲には餌やりさんとの協力が重要になってきます。

小西:立場的に行政側の話になりますが、捕獲には難しい部分もあります。捕獲するのがどれくらい難しいかというと、保健所から来たから、すぐ捕まえられると思われていますが、(そう簡単には)捕まえられるわけがない。そこは餌をやっている方やボランティアの方の協力をいただいて、1週間〜2週間かけて餌付けをして、捕獲器やケージに慣れさせて捕まえます。長い期間をかけてやっています。TNR活動についての話ですと、福井県の場合では、行政としてはTNRをすごく積極的にやっていこうという文化はないのです。TNRで解決されるのは、数が増えるのを減らすことですが、それに対して、保健所で僕らが業務しているなかで寄せられる苦情は、糞の駆除、ニオイに対するもの。中でも多いのは、農業をやっている方からの苦情で、植えた苗をひっくり返すといったこと。これはTNRでなおるのかといったら、なおらないんです。そのため、「なにしとんねん!」と住民からは言われますが、「でも、数が増えないだけでもいいじゃないですか。20〜30匹なんてすぐに増えてしまいますから」と、まず減らすところから始めないと、と説得している状況です。

藤野:毎日餌をやることや、今の捕獲のお話はなかなかハードルが高く、愛情はあるけど一歩が踏み出せないという方も、私の回りにはいらっしゃいます。そのような方に勧めたいのは、自分にしかできないことをまずやってみることです。私は長年お菓子を作り続けて、そこでお役に立てればと、差し入れをしながら譲渡会を行ったり、ピアノの演奏ができる方がリサイタルをするとか、ご自身のキャリアを生かせることが必ずあると思います。そこを突破口として、愛護活動に繋ていただくのが素晴らしいと思います。また、まず動くこと。どこでもいいんです。近くの保護団体へ行って、顔を出してみる。そこで人間関係が繋っていきます。何をしたらいいか分からないが、とにかく行ってみる。散歩のボランティアがあるから行ってみる、とか、病気の子を病院に連れて行くとか。そこから、どんどん広がっていく。アクションを起こすことがとても大切だと思います。

滝川:アニマルウェルフェアは、かわいいからという理由で動くものではなく、福祉のようにかわいそうだからと餌をあげるのでもありません。そのことを頭に残してもらいたいです。本日来場された方にお配りした「WELCOME PET CAMPAIGN」のパンフレットでは、保護犬・保護猫を飼っている方のインタビューや、どこのシェルターで引き取ることができるかという情報を載せています。このパンフレットは、私たちの財団の事務局に問い合わせいただければ、何部でも送りますので、これを多くの方の目に届くよう、ぜひご協力をお願いしたいです。

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プログラムの最後では、寄せられた質疑に対して、登壇者から回答が寄せられました。

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質問その1:殺処分ゼロが満たされることで、闇で消される子が増えてしまうという意見も一部ではありますが、どうお考えでしょうか?

藤野:行政サイドとして、受取や殺処分を拒否できます。その結果(殺処分にカウントされずに)闇で殺されている動物が増えているということですが、「殺してください」と保健所に持ち込まれて、行政が「殺処分はできない」と拒否するケースが15%あります。そのほとんどは遺棄主不明の動物たちです。行政がしなければならない、正しい法律は作るべきで、「法律を作ったからこうなった」となるのは本末転倒。そこで大事なのは、その闇の部分をどう炙りだして、検挙していくかという法規制をもっと密にしていくこと。これが次期法改正に、期待されるところです。

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質問その2:地方や田舎では、まだまだビックリするほど、犬猫の扱いがひどいところも多いです。大きな団体があったり、行政が対策を採っていない地域の場合、どう動いていけばいいのでしょうか?

小西:とんでもない事例として一例を。田舎ではお年寄りが犬を飼っていますが、息子さんたちは東京にいたりして、おじいちゃん・おばあちゃんが淋しいだろうと、犬を買ってあげるんですね。ところが、犬を飼うイメージが世代でまったく違うので、トイプードルのような小型犬で室内飼育が必須な犬種でも、外に繋いで飼っているんです。ある雨の日に巡回していると、軒下に濡れねずみになりながら、おじいちゃんの帰りを待って、繋がれているんです。飼い方として悪いわけではないが、ウェルフェアではないですよね。これは知識が違うことが原因です。僕らの「犬は室内で飼育しましょう」ということを伝えて、地域のお年寄りが実行できるかといえば、そういう経験がまったくないですから、できない。チワワでも外で繋いで飼われちゃいますから。僕にとってあり得ないことですが、現実にはそこにある。福井では動物行政は民間に委託されることになって、僕らが受けて、実際の現状を知ることができたというのも、現実だと思います。

河瀬:岐阜でも、犬は外で飼うもの。田舎に行けばいくほど、どうしてもそうですね。子どもたちの教育に力を入れて、お年寄りに孫の立場から言ってもらう。それはひどいことだと言ってもらうだけでも、変わっていくような気がするので、子どもたちの教育にアニマルウェルフェアを定着させて、孫を通じてお年寄りの意識を変えていくのがいいのではないかと思います。

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質問その3:うまくいく保護猫カフェと、うまく行かない保護猫カフェの違いは?

河瀬:私たちがうまくいっているかは微妙ですが、なんとか継続できている理由は、保護猫カフェだから、といってサービスを置き去りにしないようにしている点です。サービスを重要視し、対価をお客さまからいただいていることを、スタッフがちゃんと理解してくれ、その意識を強く持っています。だからといって、猫たちを酷使するようなことは絶対してはなりません。「猫が一番」にしつつ、お客さまが、保護猫たちとの空間をいかに楽しんでもらえるか、猫のいるすてきな環境を提供しているんだという意識を持って、運営をしています。あくまで、(業しての)1つのサービスであり、そこに附随して猫を保護しながら、新しい家族を見つける場所を提供する。そういう場だという思いを、押し付けではなく、お客さまとお店が一緒に作り上げ、共有できるような場を作るのが大切です。

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会場となった福武ホールは、ご覧の通り立ち見が出るほどの盛況ぶりで、殺処分ゼロに対する関心の高さをうかがわせるものでした。数字合わせによって達成する殺処分ゼロではなく、ただ消えていくだけの命がなくなる「真のゼロ」が実現できる社会となり、猫のため、なおかつ人のためになりますよう、猫ジャーナルとしても引き続き微力ながら協力ができればと思います。

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