幼虫から成虫になる過程のアレではないようです。
香川県の仲多度郡多度津町に属し、瀬戸内に浮かぶ塩飽(しわく)諸島の西端「佐柳島」(地図はこちら)。史料上では室町時代初期、武将で歌人の今川了俊の記した紀行文『鹿苑院殿厳島詣記』でその名称が見つかります。鹿苑院殿というところからおわかりのように、三代将軍足利義満が厳島へ詣でた際、風雨のために停泊したのがこちらの佐柳島でした。そのときに詠まれた歌というのも同じ史料に残っておりまして、「名にしおはゝ さてしもあらて 浦風の さなきはなとか はけしかる覧(「さなぎ(早凪)」という名の場所にもかかわらず、浦風はなんでまたこんなに激しいのだろうか)」というものです。「さなぎ」の島の名の由来は「早凪」と言われ、古くは神功皇后の時代にさかのぼるとのこと。『日本歴史地名大系』では、「神功皇后の朝鮮出兵のとき南風が吹き荒れ、当島に避難するとまもなく凪いだことから早凪(はやなぎ)島とよんだことに由来するという。また真木(櫟)が多くあることから、その古名サネギが転訛したともいう」と、2つの説が挙げられています。
前置きが長くなりましたが、その早凪の島が「佐柳島」となり、記紀の時代から数千年の時を経て、今では猫島として知られる島になっております。多度津町の魅力を国内外に発信する「多度津つながりプロジェクト」では、猫島・佐柳島の魅力を集めた「さなぎねこ写真集」を制作すべく、クラウドファンディングサイト「Faavo」にて支援を募っています。そのモットーは以下にて。
モットーは「押し売り」ではない町おこし。
独りよがりになりがちな「町おこし」ですが、それをきちんと商業化し、継続的なものにする必要性があります。したがって、このプロジェクトの収益も、次の新たなプロジェクトへ展開するための資金として活用したり、佐柳島、多度津町の人々へ、何らかの形で還元できる仕組みを構築したいと思っております。
押し売り案件が多い昨今ではありますが、真摯な姿勢が伺えるプロジェクトページはこちらから。支援コースは2000円〜20000円の4種類。写真集がゲットできる支援金額は、10000円からとなっております。「猫のためは人のため、人のためは猫のため」をかしこみかしこみ申す猫ジャーナルとしては、この写真集を通じて、猫と人とが幸せになることを切に願うものです。昆虫の「蛹」はといいますと、幼虫が成虫として羽化するための準備をするところであります。まさにクラウドファンディングの期間は「蛹」でありまして、なにか事を成し遂げるまでには内憂外患いろいろなことがありますが、ぜひとも蛹のごとく「成虫になるのだ」という初心を忘れることなく、猫写真集が成就するよう祈る次第であります。
[猫の島「さなぎねこ写真集」をつくりたい!!/FAVVO]
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