「タラは、ぼくのヒーローだよ!」と、ABC NewsのインタビューでJeremy Triantafilo君は笑顔で語っています。
アメリカはカルフォルニア州のベーカーズフィールドで、現地時間の5月14日の午後5時頃に起こった、猫による勇敢な救出劇が、偶然にも屋外防犯カメラによって一部始終が記録され、ケガをした子供の父親が「猫がうちの息子を助けた!」とYouTubeにアップしたところ、各メディアで取り上げられ、まさに全米が泣いた状態です。
その、発端となった動画は以下にて。
※動画の47秒以降に、噛まれた足の傷がアップで写されています。生々しい映像ですので、苦手な方は45秒くらいまでにしておくのをオススメします。
ジェレミー君は4歳の男の子。夕方、自宅付近で自転車に乗って遊んでいたところ、お隣のワンコ(8カ月の、ラブラドールとチャウチャウのmix)が、車の影から近づいてきて、ジェレミーの後ろから、右足へ噛みついて引きずり、ジェレミー君は転倒してしまいます。その瞬間から3秒後、画面右側から、弾丸のような黒い影が。ジェレミー君の家の飼い猫、メスのタラちゃんが、なんと、自分よりも大きな犬に果敢に体当たり。往年のジャガー横田のヒップアタックを彷彿とさせる、強烈な当たりで、犬をジェレミー君から引き離すことに成功。ひるんで逃げ出すワンコに、きびすを返して追っぱらったと思ったら、すぐさま車の下の最短ルートをとってジェレミー君の元へ引き返し、騒ぎに気づいて駆け付けた母親と共に、彼を気遣っている様子が、動画からわかります。父親のRoger Triantafiloさんにアップされたこの動画は、記事執筆時点で850万回以上再生され、全米のメディアで大きく報道されました。
ABC Newsの動画では、タックルの瞬間がアップで確認できます。
また、Triantafiloさん一家へ、ABCのKERO記者がインタビューしている様子も、まとめられています。猫のタラとご夫婦は5年ほど前から一緒にいるそうで、ジェレミー君が生まれる前から、一家と暮らしていたようです。父親のロジャーさんは次のように、インタビューに答えています。
「Especially ours. It just shows how much she really has a family-oriented mind set」
この行動は、彼女(タラ)が本当に、「ジェレミーを含めた私たちを家族だと思っているか」を示している。というセリフ、まさにその通りだと思います。
動画から察するに、大きな犬を怖がらずに果敢にアタックする行動は「ジェレミー君を、庇護すべき対象(子供としてか、弟としてかはわかりませんが)」と見ている証左ではないかと考えられます。これは、このタラちゃんの性格ばかりでなく、一家が猫のタラと信頼関係を時間をかけて築いていたことが、この勇気ある行動を生んだ要因と言えるでしょう。もし、ジェレミー君よりも自分のほうが大切だったら、自分の身の安全を優先してしまうのかなと。猫ジャーナルとしては、そこに注目しております。「ご主人を救う」といったマインドとは、ちと違うのでしょうね。
ジェレミー君は、すぐさま病院へ運ばれ、数針を縫うケガでしたが、翌日には元気にタラと遊んでいるようです。さて、もう一つ気になるのは、ワンコのその後です。
報道によると、「安楽死のために、施設に保護された」と書かれていますが、その後の話を探したところ、ローカルWebメディア「BAKERSFIELDNOW.com」の記事にて、一部の愛犬家から、安楽死処分から救う方法はないものか、との声が上がっている、と報じられています。この記事時点では、まだ安楽死させられてはいないようです。
犬の飼い主によるしつけの仕方や、飼い方が改善せられないままですと、同じような事故が起こってしまう要因はまだ残るわけですから、犬の飼い主さんへのケアおよび、今回の当事者たる犬へのケアが適切に行われることを、海の彼方からではありますが、祈る次第であります。
[Cat Saves Little Boy From Being Attacked by Neighbor’s Dog/YouTube via siz]
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