以前、猫ジャーナルでも取材いたしました、秋田県横手市の「忠猫神社」に新しい動きがあるという情報を聞きつけまして、猫を愛する界隈の皆さまにお知らせする次第であります。
地元の人たちもほとんど知らなかった、この地に伝わる「忠義な猫の碑」の由緒が再び日の目を見ることとなったのが約14年前の2010年ごろ。「忠義な猫でまちおこし推進委員会」が設立され、忠義な猫の碑を永続的に保守管理するべく、2016年に忠猫神社の建立を目指したクラファンが開催されたのであります。
猫ジャーナルではそのころからウォッチングしておりまして、クラファン成功後にオープンした忠猫神社および「忠義な猫の会」に取材を行いました。
それから約6年となる今年、「忠猫神社を大改装して健康祈願と供養の聖地にしたい!」と題された2度目となるクラファンが開始されたのであります。
忠猫神社の建立後、猫の健康祈願や亡き猫の供養の場所として愛猫家の認知も拡大し、御朱印を求める人々や祈りを捧げる人々の集まる場所となったといいます。創立メンバーの一人で、忠義な猫の会の本多和芳さんは次のように語ります。
来訪者数は毎年1,000人弱です。年齢性別の傾向ですが、30代~50代の女性が7割以上を占めています。東北6県、秋田県内以外では、岩手・山形・宮城からの順で参拝者が多く、それ以外、更に遠方の地域からはちらほらという感じを受けます。
現在寄付を募集中のクラウドファンディングでは、内部を神聖で厳かな「猫の杜」とするべく大改装を行い、「祈願・供養を通してすべての猫好きの心のよりどころ」になることを目指しています。
その取り組みの具体的なイメージについて、本多さんに伺いました。
令和2年からコロナ禍の影響を受け、三密を避ける必要があり、団体で実施していた猫の幸せ祈願祭が中止となっていましたが、今年6月から毎月22日(にゃんにゃん)を縁日と定めて再開する予定です。
忠義な猫の会の目的の1つに通年観光の実現がありますが、これを達成するため資料館(神社)の改装事業を進めています。猫の健康長寿を祈願する聖地、愛猫家の心のよりどころとなる供養の場として相応しい環境にします。具体的には、神殿の各所に擬木(枝葉)を設置、あたたかい杜(森)の至る所に猫オブジェが潜んでいて、来訪者がそれを探す楽しみがあり、同時に癒しを感じる空間になります。眷属を意味する猫オブジェ222体(猫神様のお使いをする猫群)・絵馬掛け台・虹の橋ポスト(亡くなった猫への想いを手紙やハガキで投函することが可)・絵馬型授与所(御守やおみくじを享ける場所)・お土産品の販売棚(新商品を開発中)・イベント告知のための掲示板を設置、地域経済の活性化を図るため、観光情報を流すモニター、飲食店の紹介地図や広告用ラックなども設ける予定です。達成すれば、イメージ画像のような環境が整います。
現代人にとって犬や猫は家族の一員として大切な存在です。昨年のペットフード協会の調査によれば、現在、国内では10軒に1軒が猫を飼っているとのことであり、愛猫家に喜んでいただける事業になると確信しております。平成28年の石碑移転当時には達成できなかった事業を完遂させます。
個人的にうれしいのは、改装後に設置される予定の「虹の橋ポスト」です。「今は亡きウチの子(愛猫)へ伝えたい想いを手紙・はがきで投函できます」とのことでありまして、私と同様に、今は天にいるあの子やこの子に伝えたいお礼や話がたくさんあるなぁなどと思っていらっしゃる皆さまの、思いの丈を投函するポストができますようにと、祈る次第であります。
クラファンの支援金額は3500円〜10万円の12タイプ。支援に対するお礼となるリターンには「ペット御守&記念の御朱印」、猫オモチャとして使える「祈願棒」、「あきたこまち1.5kg」や「招福猫サブレ」などのほか、愛猫の健康祈願としてご祈祷が受けられるコースや、支援者として神社に氏名が掲示される顕彰の権利などが用意されています。締切は2024年5月12日の23時までとなっています。
目標達成および改装完成の折には、ぜひまた読者の皆さまにご報告できればと思っております。日本、いや世界中の猫を愛し、猫に愛された皆さまの思いが、支援として集まるよう願っております。
[忠猫神社を大改装して健康祈願と供養の聖地にしたい!/READYFOR]
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